
最近話題の昆虫食。世界的な人口増加により、将来的に食糧難が予想されていますが、高タンパク質の昆虫食がその対策になるとしても注目されています。そのような流れがあるなかで、カイコの糞である蚕沙を原材料に使用した蒸留酒「SANSHA – Mulberry and Silkworm droppings」が発売されます。
ちょっと気持ち悪いと思う人もいるかもしれませんが、反対に興味津々な人もいるのではないでしょうか。そこで、ここでは「SANSHA – Mulberry and Silkworm droppings」についてご紹介します。
蚕沙(さんしゃ)は漢方のひとつ

虫の糞なんて不潔と思うかもしれませんが、実は昔から漢方のお茶として中国を中心に、様々な地域で愛用されています。その中でもカイコの糞である蚕沙はリューマチや関節炎、神経痛に効き、子宮出血や月経不順などにも使える漢方茶として重宝されてきた歴史があります。
カイコの幼虫は、桑の葉を好んで食べるので、糞は桑の葉の未消化物ということになります。それを煎じて飲めば、桑の葉茶を思わせる上品な香りが楽しめるというわけです。お茶になるならお酒にもなるのではないかと考えた人たちがいます。
コオロギラーメンなどで知られる、昆虫食の魅力を探究するチーム『ANTCICADA(アントシカダ)』と、様々なフルーツやボタニカルを原料にした蒸留酒を製造する『mitosaya薬草園蒸留所』です。
今回開発された「SANSHA – Mulberry and Silkworm droppings」は、桑の実であるマルベリーのブランデーと、桑の葉をカイコが食べたあとの未消化物である蚕沙のスピリッツをブレンドするという、桑という種を通じて生まれた2つの自然物を蒸留酒にした、世界でも類を見ない製品に仕上がっています。
玉露のような香りとフレッシュな飲み口

カイコの糞でできたお酒ということで、どんな仕上がりになっているのか気になりますよね。
玉露のような奥深いグリーンな香りが特徴で、プルーンや海苔のようなニュアンス、桑の実の滋味深い香りを、ほのかな酸味とともに感じられる蒸留酒になっています。飲み口はフレッシュで、心地よい余韻を楽しめるとのこと。イメージしてみるとちょっと抵抗がなくなるかもしれません。
ミルクチョコレートや、アールグレイのシフォンケーキ、カラメルの効いたプディングなどと一緒に、軽く冷やしてストレートで飲んでいただくのもオススメということですので、食後酒にもいいかもしれません。
原料にはこだわりがあり、山梨県で約150年続く養蚕農家「アシザワ養蚕」の蚕沙を使用。カイコから鮮度の良い糞を収穫し、丁寧な乾燥と熱処理を加えた、安心安全な蚕沙を使っています。かつて数百万軒あったと言われる養蚕農家も、現在は全国で250軒ほどで、蚕沙のお酒は養蚕農家の新しいあり方にもつながっています。
「SANSHA – Mulberry and Silkworm droppings」商品概要

「SANSHA – Mulberry and Silkworm droppings」は、100mlで2,200円とお求めやすい価格になっています。まずはお試しということで100mlを購入してみてはいかがでしょう。気に入ったら500mlを購入するといいかもしれません。贈答用などにも面白いかもしれません。
使用素材 | マルベリー、蚕沙、ライススピリッツ |
内容量・価格 | 100ml:2,200円(税込) 500ml:9,680円(税込) |
販売場所 | mitosaya薬草園蒸留所 ウェブサイト ANTCICADA店舗での販売も予定 |
発売日 | 2020年7月26日10時 |